医師主導治験で、PMDAに遅延理由書を提出するということを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、一体どのようなイベントで該当するのか、該当した場合、中身はどう書いたら良いか、わからないですよね。
今回は、医師主導治験において、遅延理由書を添付するケースについて、ご紹介します。
遅延理由書を意識するときは、ただでさえ、焦っているときが多いです。
このページを読んでおけば、いざという場面に出くわしても、慌てずにすみます。
医師主導治験でPMDAに遅延理由書を添付する2つのケース
遅延理由書を添付する必要のあるケースとは、PMDAへの期限付きの届出が遅れた時です。
医師主導治験ではでは、以下の2つのケースが考えられます。
- 治験計画変更届書の提出が遅れたとき
- 副作用等の報告が遅れたとき
医師主導治験で治験計画変更届書の提出が遅れたとき
治験計画変更届書は、変更後6ヶ月以内の提出で良い内容や、1年以内の提出で良い内容があります。
そこをしっかり把握しておくと、遅延理由書を提出する必要性がなくなります。
- 治験届出者:職名、氏名の変更
- 届出担当者:氏名、所属、電話、FAX番号の変更、追加及び削除
- 治験機器提供者:社名、法人代表者、住所の変更
- 輸入先国の製造業者:名称のみの変更、輸入先国での販売名の変更等
- 実施医療機関:名称、実施診療科、所在地、代表電話番号の変更
- 治験責任医師:職名、氏名変更
- 治験分担医師:氏名変更、追加、削除
- 治験調整医師(届出代表者を除く。)又は治験調整委員会:構成医師の削除、治験調整医師又は治験調整委員会の構成医師の所属機関、所属、職名、氏名の変更
- 治験機器:予定入手数量、予定被験者数の変更
- 治験の準備及び管理に係る業務を受託する者の変更
- 実施医療機関における治験の実施に係る業務を受託する者の変更
- 治験審査委員会の設置者:名称、住所の変更、追加、削除
届出の際の注意点などは、「医師主導治験の6ヶ月ごとに提出する治験変更届書について」の記事に詳しく書いていますので、ご覧ください。
医師主導治験において、副作用等の報告が遅れたとき
治験副作用や不具合等の報告が遅延する場合には、遅延理由を示した遅延理由書を提出しましょう。
定期報告の報告遅延も該当します。
提出先は、PMDAの安全第一部(医薬品)又は 安全第二部(医療機器)です。
事前に担当者へ連絡しておくと、スムーズにすみます。
医師主導治験におけるPMDAに提出する遅延理由書様式
医師主導治験におけるPMDAに提出する遅延理由書の様式はとくに存在しません。
しかし、必ず、以下の項目を入れるようにしましょう。
- 日付(提出日)
- 宛先「厚生労働大臣 殿」
- 届出者(治験責任医師病院名、氏名、捺印または署名)
- タイトル「遅延理由書」
- 内容「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年第145号)第80条の二第○項に規定する内容について、以下の理由により期限内に届け出ることができませんでしたが、よろしくお取り計らいいただきますようお願いいたします。」
- 理由
治験計画変更届書を期限内に提出できない場合は、「第80条の二第4項」。
治験副作用や不具合等の報告が遅延する場合は、「第80条の二第6項」。
下記のボタンより、PMDA遅延理由書様式の参考リンクへ移動できます。
まとめ
PMDAへの期限付きの届出が遅れた時に遅延理由書を添付する、2つのケースについて、ご紹介しました。
やむを得ない事情により、期限内に届け出ることが困難になる場合もありますよね。
速やかに届出を行うことが重要なため、気づいたらまずは、PMDA担当者に連絡してみましょう。
治験届については、「医師主導治験における、治験届の作成を始める前に読んでおきたいこと」の記事に詳しく書いています。
治験に関する参考図書を準備しておくとよりスムーズです。