治験届の内容に変更が生じると、PMDAに治験計画変更届書を提出する必要があります。
しかし、変更する内容・項目によっては、事前変更が必要なものや、6ヶ月おきにまとめてで良いものなどがあり、判断しかねるのではないでしょうか。
今回は治験届における、事前届出事項の届け出る内容・時期について、ご紹介します。
治験が進行してしまうと、見落としがちになるため、一度確認しておきましょう。
治験に関する参考図書を準備しておくとよりスムーズです。
治験届において、事前届出が必要な事項とは
治験計画変更届を提出するタイミングは、5つあります。
- 治験責任医師を変更する時
- 治験調整医師を追加する時
- 実施医療機関を追加する時
- 治験計画届書の記載事項に変更があった時
- 多施設共同治験で、既に治験が終了した施設を削除する時
中でも、治験責任医師の変更、治験調整医師・実施医療機関の追加については、原則、変更前に届け出る必要があります。
理由は、治験の実施に影響を与えるからです。
事後に変更する事項については、「医師主導治験の6ヶ月ごとに提出する治験変更届書について」に詳しく書いています。
治験届において、事前届出事項を届出る時期とは
では、事前届出事項はいつまでに届け出なければいけないのでしょうか。
治験計画届書に変更が生じると決まった後、変更後の内容で実際に治験を開始する前に、治験計画変更届書を届け出ること。
この治験計画変更届書の届出は、必ずしも変更事項について治験審査委員会の審議を経たあとである必要はありません。
たとえば、治験実施医療機関の追加については、すでに治験が開始されている状況である場合が多いです。
追加施設での治験審査委員会の承認が得られれば、すぐにでも治験薬・治験機器等が搬入可能となり、いつでも、治験が開始できる状況になります。
そのため、治験審査委員会の審議を経る前に、治験計画変更届書を提出しておきます。
その際、変更日は、IRB承認日ではなく、届出提出日を記載します。
まとめ
今回は、治験届における、事前届出事項について説明しました。
事前届出が必要な項目と届出時期について、理解できたのではないでしょうか。
なるべく、遅延理由書などを提出しないようにしていきたいものです。
万が一、遅延理由書が必要となった場合は、「医師主導治験でPMDAに遅延理由書を添付するのはどんなとき?様式は?」に詳しく書いていますので、参考にされてください。
医師主導治験の流れと注意点について知りたい方は、「医師主導治験の流れ・注意点をわかりやすく解説」の記事に詳しく書いています。
多施設共同の国際共同の医師主導治験を実施中の1つの医療機関において、医療機関IRBに、治験終了届を提出し治験を終了しました。そして、海外のリードグループへも、この医療機関の治験終了(Wtithdrew)を届け出て承認されました。治験届は、全ての医療機関において治験が終わった際に医療機関での治験終了を届け出る予定のため、そのまま変更していません。
それから数か月経過した今になって、海外グループへの手続きの関係で、再度、この医療機関を再開(reopen)せざるを得ない状況になってしまいました。医療機関IRBにおいて再開が承認された場合、治験届上で何か検討することがありますか?中断期間の数ケ月の変更事項は、情報を入手した再開時を基点として、変更届を提出することで、問題ないでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。
いただいたご質問の回答としましては、被験者の安全や治験の成績に影響を及ぼす事項に該当しないかを説明できるようにしておく必要があります。また、その説明を持って、事前にPMDA審査マネジメント部にご相談されることがよろしいかと存じます。